11月25日に内田丸でボートを借りて、網代の海へこぎ出した。釣果と状況についてはアメブロ網代のボート釣りポイント情報)で報告した。しばらくの間、網代の昔の状況について書いてみたい。

 以前、多賀沖に鰯の入った網生け簀が設置されていた頃の話になるが、多賀の魚礁で真鯛や黒鯛、そしてヒラメがよく釣れた。6月になるとイサキやカイワリが入れ食い状態で良型のものが上がった。この時期はボートの数も遊漁船の数もかなりのものであった。また、サビキで石鯛の30センチほどのものがよく釣れた。アジも小型のものから良型のものまで、今では想像ができないくらい大量に釣れた。真鯛もサビキにかかることが多く、ハリスの太いものを使うと上げることができた。

 多賀の魚礁は、今では砂に埋まって、以前のように起伏のある状況にないが、岸からあまり離れていない、水深20数メートルの場所で、驚くほどの釣果があったのを思い出す。浅い海でも鰯やキビナゴの群れが入ってくると、カガミダイやマトウダイがよく釣れた。網生け簀のあるところには小魚が群れていてフィッシュイーターにとっては格好のえさ場となっていた。

 現在のように「こませアミ」と「オキアミ」を使った「かご釣り」が普及する前の話である。サビキ釣りと投げ釣りが主流だったが、水深20メートルから40メートルのところでも、甘鯛やイトヨリ、マハタ真鯛等が飽きることなく釣れた。

 夏場から秋口にかけては、地元の漁師が「引き釣り」で漁をする様子を見ることができた。上物の回遊が多かったと思う。また、この時期は「ヤガラ」をねらって漁をする漁師も見かけた。大物がかかっていたようで、よい値段で引き取る料亭もあると聞いた。

 ともかく、以前の海は豊穣だった。熱海から網代にかけて、沿岸ではメジナやボラの群れがいたるところで見られた。また、ボートでこぎ出すと近場でカワハギやキスも大量に釣れた。カワハギは手のひら大のものなら100匹は釣れた。沖の定置網周辺では大型のウマヅラハギやカワハギもよく釣れた。次回は釣れなくなった魚についても書いてみたい。

 

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